
動画広告は、視覚と聴覚を駆使してメッセージを伝えられるデジタルマーケティングの主力手段です。YouTube、Instagram、TikTokなど、日々多くの人が動画コンテンツに触れており、広告主にとっては大きなチャンスです。
しかし、「これから動画広告を始めたい」と思っても、社内の理解が得られなかったり、稟議が通らなかったりするケースも少なくありません。とくに初めて動画広告にチャレンジする企業では、費用対効果やリスク、リソースに対する懸念が障壁となることがあります。
本記事では、社内で動画広告を導入するためのステップを「稟議を通す」という観点から解説します。
提案前の準備から稟議書の書き方、上層部を説得するポイントまで、実践的にご紹介します。
目次
動画広告導入に向けた社内提案の全体像
動画広告を導入するための社内稟議を通すには、以下のようなステップを計画的に踏む必要があります。
- 目的の明確化
- 市場背景とニーズの整理
- 企画・媒体選定
- 費用試算とROI(投資対効果)の想定
- スケジュールとリスク対策
- 稟議書の作成と申請
上記をもとに社内説明・説得を行えば、実現性の高い動画広告導入が可能になります。
ステップ1:目的の明確化
最初に必要なのは、「なぜ動画広告をやるのか」という明確な目的です。目的が曖昧だと、上司や経営層に納得してもらうことはできません。
よくある目的には以下のようなものがあります。
- ブランド認知の向上
- 新商品・サービスのプロモーション
- サイト流入数の増加
- 若年層へのアプローチ
- リード獲得の強化
「○○キャンペーンの一環で、ターゲットとなる20代女性にリーチしたい」など、できる限り具体的にすることが重要です。目的が具体的であるほど、広告効果の測定も明確になります。
ステップ2:市場背景とニーズの整理
提案の説得力を高めるためには、「なぜ今、動画広告なのか」という外部環境の変化を示すことも効果的です。
市場データの例
- インターネット広告市場において、動画広告は年々増加(2023年時点で約5,800億円超)
- スマートフォンの普及により、動画コンテンツの消費時間が増加
- YouTubeやTikTokの利用率が10代〜40代で70%以上に
また、他社の成功事例も説得材料になります。
例)「○○社はYouTube広告を活用し、半年間でWebサイトの訪問者数が150%増加」など。
事例は可能な限り自社と近い業種や商材のものを選びましょう。
ステップ3:企画・媒体選定
媒体選定では、「費用が適正」「リーチが狙い通り」「運用が現実的」といった観点が重要です。
初めてなら、以下の媒体が稟議を通しやすい
- YouTube広告(TrueView): 最も実績があり、費用対効果が見えやすい。
- Instagramストーリーズ広告: 若年層へのブランド訴求に強く、短尺動画で運用しやすい
- LINE VOOM広告: 幅広い年齢層への接触が可能
また、動画は必ずしも大掛かりな撮影が必要とは限りません。ストック動画を活用したり、自社内での簡易撮影でも十分成果を上げられます。外注制作と内製のハイブリッド案も選択肢に入れましょう。
Youtube広告とは何か詳しく知りたい方はこちらの記事「YouTube動画広告とは?効果と活用ポイント」も参考にどうぞ。
ステップ4:費用試算と投資対効果の予測
稟議において最も問われるのが「どれくらい費用がかかり、どんな効果が期待できるのか」という点です。具体的な試算とKPI設計が必要です。
例:30万円の動画広告予算の想定
- 制作費:10万円(簡易動画制作)
- 広告出稿費:20万円(YouTubeで1CPV=5円想定で4万回視聴)
- 目標KPI:CTR 1.5%、LP訪問者600人、CVR 2%、想定リード獲得数12件
ROI(費用対効果)=獲得単価2.5万円/顧客LTV6万円 → プラス収益見込み
このように、金額と成果が結びついていれば、上層部も判断しやすくなります。
動画広告の制作費用について詳しく知りたい方は、以下の記事も参考にご覧ください。
ステップ5:スケジュールとリスク対策
稟議通過のためには「実現可能性」を示すことも重要です。以下のような点を明確にすると良いでしょう。
明示すべきポイント
- 動画制作スケジュール(例:制作2週間、校了1週間)
- 広告配信スケジュール(例:7月1日〜7月31日)
- 運用担当者(自社の誰が見るのか、代理店に任せるのか)
- リスク対策(例:炎上防止のチェック体制、ネガティブコメント対応)
また、「まずはテスト配信」として小規模から始める提案も、承認されやすくなります。
ステップ6:稟議書の作成と申請
動画広告の導入を社内で正式に進めるには、稟議書の提出が不可欠です。稟議書は、意思決定者が短時間で内容を把握し、判断できるよう、簡潔かつ論理的に構成する必要があります。
まずは、自社で定められている稟議書のフォーマットを確認しましょう。企業によっては専用のテンプレートや入力項目が定められていることもあるため、それに従うことでスムーズに承認プロセスが進みやすくなります。
以下は、動画広告導入に関する稟議書の基本構成例です。
稟議書の基本構成(例)
| 件名 | 動画広告配信に関する企画稟議 |
| 目的 | 認知拡大およびリード獲得 |
| 背景 | 自社製品の競争力強化の必要性とターゲットの動画視聴傾向 |
| 内容 | YouTube広告による動画配信(30秒程度)、想定インプレッション・CV |
| 費用 | 総額30万円(制作10万+出稿20万) |
| ROI想定 | CV単価25,000円、LTV60,000円 |
| スケジュール | 制作6月中、配信7月中 |
| 備考 | クリエイティブ確認フロー、対応体制など |
数値的根拠や現実的なスケジュールを提示することで、「実行可能な提案」であることを印象づけましょう。
稟議通過のコツは?社内を動かすための工夫
実際に稟議を通すには、書類だけでなく「社内の共感づくり」も大切です。
稟議通過の3つのポイント
- 先に関係部署とすり合わせをしておく
特に制作部門、広報部門、システム部門など。横串の合意形成が稟議通過に大きく影響します。 - 小さく始める「テスト予算案」から提示
いきなり大きな金額を提示するのではなく、「まずは10万円からテストして成果を確認」という段階的アプローチが有効です。 - 上長の「メリット」を明確に伝える
経営層は「利益」や「企業価値」に興味を持ちます。ブランド向上、収益化への寄与、競合優位性などをキーワードに。
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- 競合他社の動画戦略の参考に
- 新しい動画企画や構成のヒントに
- 動画制作会社との打ち合わせ資料として
- 社内稟議書に添える参考資料として
特に、初めて動画広告に取り組む企業や、過去に成果が出なかった経験を持つ担当者にとっては、「今どんな動画広告が作成されているのか」「どんな表現がトレンドなのか」が一目でわかる便利なリサーチツールです。

まとめ
動画広告を導入する際に立ちはだかる最大の壁は「社内理解」と「予算承認」です。しかし、明確な目的、現実的なスケジュール、納得感のある費用対効果をしっかり提示すれば、社内稟議を通すことは十分可能です。
最初から完璧を目指す必要はありません。テスト的な小規模配信から始め、実績を積み上げながら改善を重ねていくことで、より本格的な動画広告施策へとステップアップできます。
これから動画広告を社内で提案しようとする皆さんが、スムーズに稟議を通し、成果を上げられることを願っています。


